鹿児島県隊友会

年度所信等 

                     鹿児島県隊友会会長  宮口修一
(令和3年5月)

 5月3日、憲法記念日に開催された公開憲法フォーラムin鹿児島「この憲法で国家の危機を乗り越えられるか?」に参加しました。各界からの提言のほとんどは緊急事態条項と9条の改憲に関するもので現実に目の前で生起しているコロナ危機、尖閣の危機に目をそらさず現行憲法で対応できているのかできるのか議論し必要な改正をすべきとしていました。                                                  憲法で規定することは強力な権限を与え私権を制約することもあるからこそ必要な歯止めも含めしっかり議論すべきだと思います。                                                      くしくも同館同フロアーの隣接会場では護憲派の会が催されていました。「いつか来た道。軍靴の足音。若者を戦場に送るな。」等と現実から目をそらし情緒的な反対への世論誘導や政争の具とし議論さえも避けようとすることは民主主義を否定し日本国民を信頼せず愚弄していることと同じです。解釈等言葉遊びは止め早期に改憲し9条には自衛隊を明記し、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって・・・国民の負託にこたえることを誓います。」と服務の宣誓をした隊員に名誉と地位を与え胸を張って責務の完遂に邁進できる環境にして欲しいものです。


(令和3年4月)

3月28日、鹿児島戦没者墓地慰霊祭に参列しました。当墓地は明治30年に熊本から鹿児島に移駐し明治31年に編成を完結した歩兵第45聯隊が、その後の戦没者を葬り守ってきたものです。               私の亡父も昭和17年に歩兵第45聯隊(伊敷兵営)で編成された歩兵第94大隊(通称:広7314)出身であり南方や沖縄へ部隊が抽出される中、警備部隊として中支に残り終戦となり復員しました。戦後、戦友会で当墓地に参拝していたようです。                                               雨が激しく降り注ぐ中、鹿児島戦没者墓地顕揚会会長の石崎鹿児島市隊友会支部長の号令下、地元町内会の皆様とともに隊友会会員が主力となり会場を設営、国分自衛隊隊員のラッパによる君が代吹奏により慰霊祭は厳粛に開始されました。                                               各地の慰霊祭に参列しいつも思うことは、野党系の議員の参列や電報がほとんどないことです。主催者も諦め案内しないのかもしれませんが、主義主張は違えども日本国民として英霊に対する感謝や慰霊の念は共通のはずで彼らに国民感覚とズレがあるのでしょう。政権与党の政策がうまくいかなくても野党の支持率が上がらないのはこんなところにも理由の一つがあるのではと思ってしまいます。国難に殉じた先達のことを理解し慰霊しようともしない、更には現役の自衛官にも慰労や激励の言葉もほとんどない国のリーダーに誰がついていくしょうか。選ばないでしょう。「士は己を知る者のために死す」という言葉を思いだしてしまいました。


(令和3年3月)
 3月1日の新聞記事に「土地規正法の危うさ」として自衛隊、米軍基地、原発周辺等安全保障上重要な施設周辺の外国資本の不正利用を防止しようとする「重要土地等調査法案」に反対するような記事がありました。記事には『必要性は一見もっともらしいが、内容は物々しい。「周辺から掘削し侵入」「施設を偵察」「電波妨害」といった恐れが言い立てられる。しかし本当にそんな危険は高いのか。』とある。私は、約20年前、対馬警備隊に勤務したが、当時既に警備隊のヘリポートを見下ろす200メートル程離れた高台に外国資本のホテルが2軒、海自の施設にも不自然なほど寄り添うように同様の施設があり違和感を持ったものです。私権制約や「警察国家」のような統制強化を危惧しての論のようですが、能天気であり「泥棒を捕らえて縄を綯う」となってはいけないと思います。対象国の立場に立って考えれば予想できる行動であり認識の甘さと想像力の欠如と言えます。有事となれば私権制約どころか対象国に私権を無視・奪われる事態となるでしょう。

(令和3年2月)
 1月7日、国分駐屯地成人式に参列しました。はつらつとした逞しい隊員を見ていると眩しくうらやましくも感じました。ほとんどが自衛官及び職種の基本教育が終了し配属先で練成訓練中、入隊して一任期目が過ぎようとし、後輩もできたところです。今までは自分のことそして同期生とのことを主体に考えていれば良かったわけですが、後輩ができ陸曹候補生を目指す立場になり、分隊長、班長、営内班長の立場で日々の隊務を考えられるようになって欲しいものです。そのことが自衛官・社会人としても成長につながっていくものと思います。さて、原子力発電所の再稼働では対テロ対策や火山の破滅的大爆発対策等で最悪を想定した厳しい判決や審査が行われていますが、防衛力整備に関しては最悪の想定を問うことはほとんどなく、尖閣諸島周辺での挑発的な活動等の情勢に対してもあまりにも抑制的で無防備無関心に近い状態であり、馬毛島問題では本質をはずした環境問題、経済対策等で選挙へ進んでしまいました。コロナ禍のように直接被害が及ばないと覚醒しないのでしょうか。
 国会では地元市町村とは立場を異にし党利党略を排し大局的な責任のある議論により我々を率いて欲しいものです。

(令和3年1月)

 新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。コロナ禍のため晴れ晴れとした新鮮な気持ちで新年をお祝いできないのが残念です。 先月、NHKの朝ドラ「エール」が終わりました。モデルとなった古関裕而氏は戦前戦中戦後と激動するそれぞれの時代の中、歌を通じて国民に希望と勇気を与えてきました。最近気が付いたことですが私達の隊友歌の作曲も古関氏の手になるもので昭和49年3月に制定されています。県本部が実施する会合では隊友歌を必ず斉唱し、最近では鼻歌でメロディーが出るほどになってきました。コロナ禍の下、制約は多いですが私達も隊友会の活動を通じ国民そして自衛隊にエールを送りましょう。新型コロナウィルス感染症終息の見通しがなかなか立たない状況が続いていますが、皆様、感染症対策を確実に実行し健康でお過ごし下さい。


(令和2年12月)
 本年も残すところ1か月を過ぎました。新型コロナウィルス感染症対策に追われた1年でしたが、皆様お疲れさまでした。また、ご支援ご協力誠にありがとうございました。この間、いくつかの選挙もあり、地域で諸活動をしていると地元との諸関係や縁故により協力を求められると思いますが、「国民と自衛隊とのかけ橋」という隊友会の目指すところを見失わないように活動していきたいと思います。さて、馬毛島について地元新聞での報道が多くなってきました。国会でもそうですが本質である安全保障上の観点からの論点や見解がほとんどなく、必要なことではありますが騒音、漁場、事故等の問題を主体に述べ本質からそらし後ろ向きな見解ばかりです。本質論でまず議論し次に問題点について対策や補償を議論すべきではと思います。新型コロナウィルス感染症終息の見通しがなかなか立たない状況が続いていますが、皆様、健康で良き年をお迎え下さい。新年もよろしくお願いします。

(令和2年11月)
新型コロナウィルス感染症終息の見通しがなかなか立たない状況が続いています。県内各駐屯地・基地の創立記念行事・イベント等は全て中止あるいは縮小開催となり私達会員もですが国民と自衛隊との交流・広報機会がほとんどなくなっています。さらに景気の低迷は地本の募集・援護活動に影響を与えていると思います。募集・援護情報の提供を宜しくお願いします。
 明るい話題もありました。10月30日、湧水支部が発足し多数の会員の新加入もありました。会員の結束を強くし地元と連携した活動を期待します。紅葉の時期となり、またGOTOトラベルキャンペーン等で旅行に出かける機会があると思います。コロナ対策を十分行い感染防止に努めて下さい。

(令和2年10月)
 過去最強と言われた台風10号が9月6日夜半から7日早朝薩摩半島沖合を通過しましたが、姶良支部は姶良市との防災協定に基づき昨年7月豪雨時の支援に続き2回目の避難所支援をしています。報道でも厳重な警戒を呼び掛けられ家族や自宅の台風準備もある中、誠にお疲れさまでした。
 元自衛官の心意気を感じた次第です。市役所の地域防災専門官には私達の仲間が再就職しており支部としっかり連携できているようです。隊友会の防災ボランティア活動は従来の土嚢積みのような汗をかく活動から平素の防災活動への協力(計画作成、図上演習・訓練協力)や発災時の避難所・ボランティアセンター運営等へ移行しています。今後の活動方向として下さい。

(令和2年9月)
  新型コロナウィルスの第2波はどうやらピークを過ぎたようですが油断が出来ない毎日です。被弾しないよう十分注意しましょう。
 安倍首相が辞任されました。憲法改正がまた遠のくかと残念でなりません。太平の眠りを覚ます事態が生起しないと事は進まないのでしょうか。中国が台頭し活動を顕在化する中、米国の覇権に陰りが見え、更に中国以外にも我が国の安全を脅かす周辺国が存在する情勢下、これまでのように戦争の悲惨さを語りただ平和を祈り米国に依存すれば平和を維持できた環境は終りが近づいているかもしれません。周辺国は自由意志を持ち、我が国の思い(平和憲法)などには何ら拘束されず、かえってスキを与えていることになるでしょう。我が国の毅然とした防衛体制や友好国との強固な集団安全保障体制はスキを与えず抑止力となります。そのためには憲法改正が是非とも必要です。次期政権にも憲法改正に積極的に取組んで欲しいものです。私たちも積極的に活動しましょう。

(令和2年8月)
 今年も各地で戦没者慰霊祭が行われ、戦争の悲惨さを語り継ぎ戦争反対と平和を守る決意が表明されますが、英霊が身を賭して守りつないだ我が国土・国民・文化を「この世界情勢下如何にして守るか」も一緒に考えて欲しいものです。馬毛島問題でも反対する主婦がテレビのインタビューに基地のない平和な島にしたいから反対と言っていましたが、では如何にして平和を守るのかが質問する側も答える側も欠落あるいは思考停止しているのではないでしょうか。心静かに御霊への感謝と御霊の安らかならんこと祈るとともに(必要な安全保障体制を整え)平和を守り抜く決意をする日にしたいものです。
 新型コロナウィルス感染の沈静化が見えません。我々隊友会会員はほとんどが60歳以上であり発症すると重症化するリスクが高いとされています。また、長かった梅雨も明け夏本番となり熱中症のリスクも高まります。皆様、御自愛下さい!

(令和2年7月)
 6月25日、令和2年度全国隊友会定時総会が新型コロナウィルスの影響により役員及び埼玉・千葉・東京・神奈川の隊友会長により縮小開催されました。その総会資料を受領しましたが、令和2年度事業の防衛大臣への政策提言に「平時及び有事における元自衛官の活用」の項目があり「意志のある者を平時から登録し、有事には自衛隊のニーズに応じて後方から支える体制を国として制度化」とあります。隊友会の現在の活動は平時における活動です。国土防衛戦の有事には我々隊友会の力も必ずや必要とされるでしょう。新型コロナウィルスへの初期対応において平時の医療や保健所の体制では限界があったように有事においては機能強化・補填や拡大が必要となります。
 今後の防衛省での検討に期待するとともに議論に参加していきたいと思います。大雨による甚大な被害が出ています。会員の皆様も十分気を付けて先行的に行動して下さい。災害派遣で我が自衛隊が出動しています。近くで見かけたら激励をお願いします。

(令和2年6月)
 5月24日、平成2年度の鹿児島県隊友会定期総会を縮小開催しました。先行き不透明ですが、事業の実施を追及するも状況に柔軟に対応していきたいと思います。
 さて、6月4日、12普連1中隊が警備隊区での徒歩行進訓練(垂水〜東大隅、約35q、武装)を実施し、私は1中隊OB会長として仲間4人と激励に行きました。隊友会の垂水・鹿屋支部、家族会の激励・差入れ、沿道の幼稚園児からの激励もあり降雨の中、元気にゴールの南大隅町役場に向け引続き行進していきました。
 新型コロナウィルスの話題で暗い毎日の中、充実した時を過ごしました。今後も警備隊区でも訓練して頂き国民の自衛隊を身近に感じてもらえたらと思います。各支部地域で自衛隊の訓練、入港等の際は激励を宜しくお願いします。
 梅雨・台風の時期となりました。新型コロナウィルスの状況下で発災した場合、共助・公助が制限を受け公民館・体育館等への避難所も3密を避け通常の運営は困難となります。自らの判断で早目に安全な親戚・知人宅等へ避難する等自助が非常に重要になります。会員の皆様は危険見積もりをしっかり行い準備に抜かりのないようにして下さい。

(令和2年5月)
 緊急事態宣言が延長され、鹿児島は休業要請の一部が緩和されたものの、日常の生活が恋しい毎日ですが、会員の皆様は元気でお過ごしですか。
 さて、医療の世界も平時においてはコストや効率を重視し、感染症対策も、保健所の規模・態勢、医療資機材の数・備蓄・自給能力、病床数等は散発的な小規模事態に対応できる態勢であったのでしょう。これら現実の態勢と日本の高い医療技術を考慮し、日本が選択したのがクラスターを重点的に調査し潰し、PCR検査数をむやみに増やすことなく医療崩壊を招かないようにしたのだと思います。ただ、今後はパンデミックのような事態には平時の態勢をコアとして大学、民間、退職した元医療従事者の活用等により迅速に拡充する計画や訓練とそのための法整備も必要でしょう。
 翻って自衛隊も有事には今の態勢から急速に有事の態勢(行政や民間も含め)に移行し予備自衛官制度はその一つで、未だ不十分な有事法制等は急ぎ整備する必要があります。隊友会も今は平時の活動ですが、有事には家族支援施策の他新たな役割が出てきそうです。新型コロナウィルスにしっかり対応しつつ防衛出動事態移行時の自衛隊や隊友会の活動に思いを巡らしてみて下さい。
 会員の皆様も健康に十分留意されお過ごし下さい。