鹿児島県隊友会

年度所信等 

                     鹿児島県隊友会会長  宮口修一

(令和3年9月)

 本年、私もいくつかの戦没者慰霊祭への参列、地元の慰霊碑の美化作業を行いました。皆様も地域の中で活動されていると思います。ご苦労様です。今、私の手元に、ある慰霊奉賛会が発行した機関紙があります。その中に中学生による「若者の誓い」があり、文中に「…平和とは何か、自分に出来ることは何かを考え命を大切に生きていくことを決意して…」の記述がありました。いつもの感傷的で情勢を何ら考えない単なる不戦の誓いとは異なっています。「平和とは何か、この現実世界の中で平和を如何にして守っていくか、自分に出来ることは何か」と語っていると私は解釈しています。自衛隊の活躍や皆様の地域における地道な活動は確実に若者にも影響を与えているものと思います。在留米軍撤退に伴うアフガニスタン政権の崩壊、タリバンの電撃的な政権奪取は、まさに自らの国は自ら守る気概と能力の欠如の末路をみる思いがします。


(令和3年8月)

 コロナ禍の暗い雰囲気を吹き飛ばすようなオリンピックでの日本選手の活躍に元気をもらいました。特に濱田選手の圧倒的勝利による金メダルの獲得、表彰式、日本国旗掲揚、掲揚を行っている自衛官の敬礼を見て暑さも忘れました。 さて、最近現役時代の戦術教育や指揮幕僚活動を懐かしく思い出します。行動方針を列挙・分析・報告し指揮官の決裁を仰ぎ、自分の考えと異なっていても我執を廃し一途の方針の下全力で任務達成に邁進していました。現下の国内情勢をみると自由にものが言えることはいいですが、コロナ対策やオリンピック開催に関しメディア等は国の方針決定後も上げ足取りや不安をあおりやゆし、まるでオリンピックの失敗を期待するような報道を繰り返し、不要不急の外出を控える呼びかけはほとんどしていません。国難、国家的事業に際しては平時と異なり国民の結束がまさに必要な時であり日本人の底力を発揮する時だと思います。コロナ対策を遵守し乗り越えましょう。


(令和3年7月)

 6月27日、国分駐屯地で一般陸曹候補生(348名、第113教育大隊担当)・自衛官候補生(50名、第12普通科連隊担当)の修了式がそれぞれ実施され参列しました。隊友会会員にとっては半世紀程の年齢差であり隔世の感がありますがコロナ禍の制約下3か月の教育を経てりっぱに育ち職種部隊・学校へ向け巣立っていきました。彼らの健闘を祈念するとともに教育に当たった連隊・大隊の隊員に感謝したいと思います。          さて、馬毛島FCLP関連の種子島の風向きに変化が現れてきました。空自機による騒音検証以降、西之表市議会も計画賛成に転じました。反対GPは南西諸島正面の国際情勢や防衛力強化等を議論することもなく生活環境悪化の危惧や情緒的戦争反対からの反対であり情勢認識の表明もなく、結果的に危機意識もなく国防に関し無関心無責任といってもいいでしょう。私達はサイレントマジョリティーになることなく声高な一部の活動家に負けないよう計画推進を応援しましょう。


(令和3年6月)
 6月7日、第12普通科連隊の訓練検閲出陣式に伺い、隊員を激励しました。その際、今井連隊長に警備隊区での訓練の計画実施を重ねてお願いしました。国民の自衛隊としてその姿を地方にも披露することになるとともに地方自治体への許可申請等の調整や訓練実施により地方の地勢等を把握でき災害派遣時の資とすることができます。このため支部には隊区担当中隊との平素からの交流(中隊長の離着任行事、創立記念行事の訪問等)と隊区訓練時の支援・激励を宜しくお願いします。
 自衛隊はコロナ禍・梅雨・酷暑の中でも頑張っていました。我々もコロナ禍が落ち着いたら積極的に行動開始しましょう。今は引きこもりではなく可能な事業を体調管理しっかりしながらコツコツと行い反転攻勢(行動開始)の準備(暖機運転)としましょう。 

(令和3年5月)

 5月3日、憲法記念日に開催された公開憲法フォーラムin鹿児島「この憲法で国家の危機を乗り越えられるか?」に参加しました。各界からの提言のほとんどは緊急事態条項と9条の改憲に関するもので現実に目の前で生起しているコロナ危機、尖閣の危機に目をそらさず現行憲法で対応できているのかできるのか議論し必要な改正をすべきとしていました。                                                  憲法で規定することは強力な権限を与え私権を制約することもあるからこそ必要な歯止めも含めしっかり議論すべきだと思います。                                                      くしくも同館同フロアーの隣接会場では護憲派の会が催されていました。「いつか来た道。軍靴の足音。若者を戦場に送るな。」等と現実から目をそらし情緒的な反対への世論誘導や政争の具とし議論さえも避けようとすることは民主主義を否定し日本国民を信頼せず愚弄していることと同じです。解釈等言葉遊びは止め早期に改憲し9条には自衛隊を明記し、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって・・・国民の負託にこたえることを誓います。」と服務の宣誓をした隊員に名誉と地位を与え胸を張って責務の完遂に邁進できる環境にして欲しいものです。


(令和3年4月)

3月28日、鹿児島戦没者墓地慰霊祭に参列しました。当墓地は明治30年に熊本から鹿児島に移駐し明治31年に編成を完結した歩兵第45聯隊が、その後の戦没者を葬り守ってきたものです。               私の亡父も昭和17年に歩兵第45聯隊(伊敷兵営)で編成された歩兵第94大隊(通称:広7314)出身であり南方や沖縄へ部隊が抽出される中、警備部隊として中支に残り終戦となり復員しました。戦後、戦友会で当墓地に参拝していたようです。                                               雨が激しく降り注ぐ中、鹿児島戦没者墓地顕揚会会長の石崎鹿児島市隊友会支部長の号令下、地元町内会の皆様とともに隊友会会員が主力となり会場を設営、国分自衛隊隊員のラッパによる君が代吹奏により慰霊祭は厳粛に開始されました。                                               各地の慰霊祭に参列しいつも思うことは、野党系の議員の参列や電報がほとんどないことです。主催者も諦め案内しないのかもしれませんが、主義主張は違えども日本国民として英霊に対する感謝や慰霊の念は共通のはずで彼らに国民感覚とズレがあるのでしょう。政権与党の政策がうまくいかなくても野党の支持率が上がらないのはこんなところにも理由の一つがあるのではと思ってしまいます。国難に殉じた先達のことを理解し慰霊しようともしない、更には現役の自衛官にも慰労や激励の言葉もほとんどない国のリーダーに誰がついていくしょうか。選ばないでしょう。「士は己を知る者のために死す」という言葉を思いだしてしまいました。


(令和3年3月)
 3月1日の新聞記事に「土地規正法の危うさ」として自衛隊、米軍基地、原発周辺等安全保障上重要な施設周辺の外国資本の不正利用を防止しようとする「重要土地等調査法案」に反対するような記事がありました。記事には『必要性は一見もっともらしいが、内容は物々しい。「周辺から掘削し侵入」「施設を偵察」「電波妨害」といった恐れが言い立てられる。しかし本当にそんな危険は高いのか。』とある。私は、約20年前、対馬警備隊に勤務したが、当時既に警備隊のヘリポートを見下ろす200メートル程離れた高台に外国資本のホテルが2軒、海自の施設にも不自然なほど寄り添うように同様の施設があり違和感を持ったものです。私権制約や「警察国家」のような統制強化を危惧しての論のようですが、能天気であり「泥棒を捕らえて縄を綯う」となってはいけないと思います。対象国の立場に立って考えれば予想できる行動であり認識の甘さと想像力の欠如と言えます。有事となれば私権制約どころか対象国に私権を無視・奪われる事態となるでしょう。

(令和3年2月)
 1月7日、国分駐屯地成人式に参列しました。はつらつとした逞しい隊員を見ていると眩しくうらやましくも感じました。ほとんどが自衛官及び職種の基本教育が終了し配属先で練成訓練中、入隊して一任期目が過ぎようとし、後輩もできたところです。今までは自分のことそして同期生とのことを主体に考えていれば良かったわけですが、後輩ができ陸曹候補生を目指す立場になり、分隊長、班長、営内班長の立場で日々の隊務を考えられるようになって欲しいものです。そのことが自衛官・社会人としても成長につながっていくものと思います。さて、原子力発電所の再稼働では対テロ対策や火山の破滅的大爆発対策等で最悪を想定した厳しい判決や審査が行われていますが、防衛力整備に関しては最悪の想定を問うことはほとんどなく、尖閣諸島周辺での挑発的な活動等の情勢に対してもあまりにも抑制的で無防備無関心に近い状態であり、馬毛島問題では本質をはずした環境問題、経済対策等で選挙へ進んでしまいました。コロナ禍のように直接被害が及ばないと覚醒しないのでしょうか。
 国会では地元市町村とは立場を異にし党利党略を排し大局的な責任のある議論により我々を率いて欲しいものです。

(令和3年1月)

 新年明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。コロナ禍のため晴れ晴れとした新鮮な気持ちで新年をお祝いできないのが残念です。 先月、NHKの朝ドラ「エール」が終わりました。モデルとなった古関裕而氏は戦前戦中戦後と激動するそれぞれの時代の中、歌を通じて国民に希望と勇気を与えてきました。最近気が付いたことですが私達の隊友歌の作曲も古関氏の手になるもので昭和49年3月に制定されています。県本部が実施する会合では隊友歌を必ず斉唱し、最近では鼻歌でメロディーが出るほどになってきました。コロナ禍の下、制約は多いですが私達も隊友会の活動を通じ国民そして自衛隊にエールを送りましょう。新型コロナウィルス感染症終息の見通しがなかなか立たない状況が続いていますが、皆様、感染症対策を確実に実行し健康でお過ごし下さい。


(令和2年12月)
 本年も残すところ1か月を過ぎました。新型コロナウィルス感染症対策に追われた1年でしたが、皆様お疲れさまでした。また、ご支援ご協力誠にありがとうございました。この間、いくつかの選挙もあり、地域で諸活動をしていると地元との諸関係や縁故により協力を求められると思いますが、「国民と自衛隊とのかけ橋」という隊友会の目指すところを見失わないように活動していきたいと思います。さて、馬毛島について地元新聞での報道が多くなってきました。国会でもそうですが本質である安全保障上の観点からの論点や見解がほとんどなく、必要なことではありますが騒音、漁場、事故等の問題を主体に述べ本質からそらし後ろ向きな見解ばかりです。本質論でまず議論し次に問題点について対策や補償を議論すべきではと思います。新型コロナウィルス感染症終息の見通しがなかなか立たない状況が続いていますが、皆様、健康で良き年をお迎え下さい。新年もよろしくお願いします。

(令和2年11月)
新型コロナウィルス感染症終息の見通しがなかなか立たない状況が続いています。県内各駐屯地・基地の創立記念行事・イベント等は全て中止あるいは縮小開催となり私達会員もですが国民と自衛隊との交流・広報機会がほとんどなくなっています。さらに景気の低迷は地本の募集・援護活動に影響を与えていると思います。募集・援護情報の提供を宜しくお願いします。
 明るい話題もありました。10月30日、湧水支部が発足し多数の会員の新加入もありました。会員の結束を強くし地元と連携した活動を期待します。紅葉の時期となり、またGOTOトラベルキャンペーン等で旅行に出かける機会があると思います。コロナ対策を十分行い感染防止に努めて下さい。

(令和2年10月)
 過去最強と言われた台風10号が9月6日夜半から7日早朝薩摩半島沖合を通過しましたが、姶良支部は姶良市との防災協定に基づき昨年7月豪雨時の支援に続き2回目の避難所支援をしています。報道でも厳重な警戒を呼び掛けられ家族や自宅の台風準備もある中、誠にお疲れさまでした。
 元自衛官の心意気を感じた次第です。市役所の地域防災専門官には私達の仲間が再就職しており支部としっかり連携できているようです。隊友会の防災ボランティア活動は従来の土嚢積みのような汗をかく活動から平素の防災活動への協力(計画作成、図上演習・訓練協力)や発災時の避難所・ボランティアセンター運営等へ移行しています。今後の活動方向として下さい。

(令和2年9月)
  新型コロナウィルスの第2波はどうやらピークを過ぎたようですが油断が出来ない毎日です。被弾しないよう十分注意しましょう。
 安倍首相が辞任されました。憲法改正がまた遠のくかと残念でなりません。太平の眠りを覚ます事態が生起しないと事は進まないのでしょうか。中国が台頭し活動を顕在化する中、米国の覇権に陰りが見え、更に中国以外にも我が国の安全を脅かす周辺国が存在する情勢下、これまでのように戦争の悲惨さを語りただ平和を祈り米国に依存すれば平和を維持できた環境は終りが近づいているかもしれません。周辺国は自由意志を持ち、我が国の思い(平和憲法)などには何ら拘束されず、かえってスキを与えていることになるでしょう。我が国の毅然とした防衛体制や友好国との強固な集団安全保障体制はスキを与えず抑止力となります。そのためには憲法改正が是非とも必要です。次期政権にも憲法改正に積極的に取組んで欲しいものです。私たちも積極的に活動しましょう。