鹿児島県隊友会

年度所信等 

                     鹿児島県隊友会会長  宮口修一
(令和5年5月)

 4月23日に万世、5月3日は知覧の特攻基地戦没者の慰霊祭に参列し、大東亜戦争末期の沖縄戦において散華された英霊を慰霊顕彰しました。3年ぶりのコロナ制限のない通常開催でまた好天にも恵まれ多数の遺族及び来賓の参列がありました。追悼や慰霊の言葉には悲惨な戦争を語り継ぎ再び戦争を起こさず礎となった先人の築いた平和を守りぬく旨の言葉が多くあり、この思いは参列者共通の想いと思料します。5月3日は憲法記念日でもあり改憲や護憲の集会が各地で開催されたようですが、リベラルと称せられるGPは相も変わらず具体策のない空想的な平和論と改憲イコール軍靴の足音が聞こえる戦争ができる国になる日本が外交努力をせず戦争に突き進む等と不安をあおっています。日本を取り巻く国際情勢やロシアのウクライナへの一方的な侵攻等周辺国による現在進行形の軍靴の足音どころかミサイル発射、核による威嚇、力による現状変更には触れず日本が何もしなければ何もされないと現実逃避、無責任、思考停止、他力本願の態度をとり、周辺国は性善説の国であたかも日本のみ性悪説の国のような思考であり真のリベラルとは言えないでしょう。私達の宝であり愛する自衛隊が憲法違反とも読める、あるいは言わしめるような現憲法は速やかに改正して自衛隊に明確な地位と名誉を与え必要な防衛力を整備して、戦争を抑止し有事には効果的に任務を遂行できる態勢整備が急務です。先人の築いた平和を守り抜かねばなりません。憲法改正に向けた活動を活発化させましょう。                 私のこの会長の一言は今回で終わりになります。お世話になりました。新態勢の県本部を宜しくお願いします。


(令和5年4月)
4月2日、国分駐屯地の観桜会に参加しました。久しぶりの通常開催の花見でしたが、ささやかな安心して暮らせる日常のありがたさをしみじみ感じました。この安心して暮らせる日常を守るための自衛隊だと再確認しました。
  4月6日、江田島を卒業し任官した若き幹部の乗船した練習艦が遠洋航海前の近海練習で鹿児島北埠頭に入港し歓迎行事に参列しました。4月8日、国分駐屯地で自衛官候補生及び一般陸曹候補生の入隊式に参列しました。若い力が確実に育っています。しっかり応援していきたいと思います。ところで世間は人手不足、民間では好条件での採用、日本周辺での情勢悪化等があり、自衛隊は厳しい募集情勢に陥っています。また、新編改編のため既存部隊から隊員を抽出するため部隊は充足率の低下となり訓練や勤務環境も厳しい状況と思われます。本年度は隊友会も年度当初から募集協力を強化する必要があります。宜しくお願いします。

(令和5年3月)
2月26日、川内駐屯地創立37周年記念行事に参列し祝意を表してきました。快晴に恵まれ、一般に開放しての大々的な行事は久しぶりのこともあり正門への進入道路は渋滞するほどの盛況ぶりでした。駐屯地の皆様、お疲れさまでした。やはり観閲式、観閲行進があっての記念日行事だと痛感しました。
 さて、年度末になり次年度の計画を策定する時期です。コロナ禍による制約も逐次無くなり、各支部は支部長会議の後、コロナ前に近い年度計画を策定し支部の総会へと移っていくと思います。基地、駐屯地の近傍にあり自衛隊と連携した活動ができる支部、遠隔地にあり自衛隊と接触する機会のほとんどない支部、慰霊碑があり慰霊祭が開催される支部、新会員の加入がなく高齢化かつ会員減に苦しむ支部、これらの特性が複合する支部があります。各支部のおかれた環境、特性に合った柱となる事業を一つでも結構ですから設定して下さい。それが忘年会でもいいと私は思いますし、支部の結束・活性化につながることを期待します。また、計画の文章は長々と書く必要はなく業務予定のみでもいいと思います。会員の掌握(名簿管理)、会計(決算・予算)も宜しくお願いします。コロナ禍前の活気あふれる支部へ回帰しましょう。

(令和5年2月)
 2月5日、奄美駐屯地・瀬戸内分屯地開設4周年記念行事に参列し祝意を表してきました。4周年ではありますが、コロナ禍のため一般に開放しての大々的な行事は初めてでした。幸い天候にも恵まれ駐屯地は市街地から離れた高台にありますが、来場者は報道では3000名を超えており盛況かつ成功裏に終了しました。現地の隊友会員と共に見学・歓談しましたが、目の前で繰り広げられる観閲式・行進、模擬戦等を目の当たりにし現役当時を思い出すとともに奄美でこのような行事が実施され感無量と喜びを語り、今後も自衛隊をしっかり支えていきたいと決意を新たにしていました。
 今後、この行事に合わせて奄美警備隊警備隊区の周辺離島の支部長等も招致し懇談の機会を持てればとの意見がありました。奄美は弾薬庫や海自施設等今後も増強されていきます。誘致前後の熱気で止まらない息の長い現役諸官への支援協力を引き続きお願いします。
 最後に、募集が厳しいようです。情報提供をお願いします。

(令和5年1月)
 新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。コロナ第8波の急拡大で行動制限はありませんでしたが会員の皆様も行動には慎重にならざるを得ない正月ではなかったでしょうか。
 1月11日、国分駐屯地の二十歳の祝典に参列し祝辞を述べました。私たちの後輩が確実に育ち若い力が日本を支えてくれていることを確認しうれしく思いました。私達隊友会も会員の減少、高齢化、地方支部の疲弊等厳しさがありますが、私達ならではの出来ることが有るはずで、出来ることを見つけ協力しましょう。
 隊員募集が非常に厳しい状況のようです。新編部隊が次々に編成されて抽出等により部隊の充足もかなり低下しているようです。今からでも結構です。周囲の知り合いに声をかけ情報収集・提供をお願いします。

(令和4年12月)

 11月12・13日、九州沖縄ブロック研修会鹿児島大会を担当・開催しました。3年ぶりの開催で担当する私達にとって他県開催のブロック会議を研修する機会を得られず、イメージのつかめない状態での準備実施であったため要領や段取りで手間取りましたが、各県参加者は時間を惜しむように旧交をあたため、番所鼻では絶景を堪能し、知覧では英霊の心に触れ顕彰し、ブロック会議の目的を達成することができたのではないかと思います。   関係者各位のご協力ご努力に感謝申し上げます。ありがとうございました。問題点等を整理し記録を残し次回に備えたいと思います。来年度は長崎が担当します。                                  11月23日に第8師団音楽隊定期演奏会が3年ぶりに宝山ホールで開催され拝聴しました。メリハリのある演奏で会場の皆さんとともに堪能しました。コロナ禍で中止や制限がありこの種催しがしばらくなかったこともあり感動し涙するお客もいました。早く普通の日常を取り戻したいものです。国会では旧統一教会や敵基地攻撃能力について議論されていますが、国の存立に関わる案件を重視して議論して欲しいものです。                 本年もお世話になりました。新年が皆様にとってすばらしい一年となることを祈念いたします。来年もよろしくお願い致します。


(令和4年11月)
我が国の「専守防衛」は1954年頃から使用され1981年の防衛白書で「相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限る」と定義され「受動的な防衛戦略」であり、軍事的な合理性よりも憲法問題など内政的な要請から採用されてきたようです。果たしてこの専守防衛は抑止力として機能し我が国の独立と平和、国民の生命財産を守るという目的を達成できるか再検討する時期にきています。現状では周辺国の傍若無人な軍事活動よりも内政や周辺国の我が国への反応ばかり気にかけ、目的よりもその手段方法(専守防衛)を守ることに重きを置いていると言ってもいいでしょう。武器弾薬の進歩(精度、射程、速度、効果)は凄まじく専守防衛のみによる戦いは焦土化を招き国民や国土に悲惨な被害が発生する厳しい戦いになることをウクライナ情勢が証明しています。現実を直視した自主憲法と主導的な防衛戦略・防衛力の整備が急務です。

(令和4年10月) 

 安倍元総理の国葬が終わりました。一部の野党議員や国会周辺でのデモ、マスコミの煽り等不適切な発言や行いがあり日本人の死者に対する礼節はどこにいったのかと寂しい気持ちになりました。いつか機会があればと思っていたエピソードを紹介しますが、このような機会になるとは思いもしませんでした。現在コロナ禍で途絶えていると思いますが、防大の卒業式に65歳になった卒業生が招かれていす。                         私も2019年3月17日、防大20期の仲間と参列しました。時の総理大臣安倍総理は祝辞の中で私たち20期生に起立を促し、「自衛隊は憲法違反、税金泥棒」と言われ学生運動も激しい時代に防大に入学、耐え忍びそして自衛隊に入隊し現在の自衛隊を築き継承してきた先輩方だと会場に紹介し拍手を送ってくれました。その時「士は己を知る者のために死す。」と言う言葉が思い浮かんだのを覚えています。かって自衛隊を暴力装置と貶めるような発言をした野党幹部がいました。間違ってもそのような政党が政権をとり総理大臣を選出し自衛隊の最高指揮官として自衛隊を指揮することが2度とあってはならないと思います。                      話は変わりますが、九州・沖縄ブロック研修会を指宿で開催します。隊友会員主体の縮小開催となりますが、鹿児島県各支部からも多数の参加をお願いします。


(令和4年9月)

 8月は原爆投下の日や終戦記念日があり鎮魂ための慰霊祭や悲惨な戦争を語り継ぎ平和を祈り、不戦の誓いの報道が多数ありました。当時の世界は列強による帝国主義末期、世界恐慌、ロシアの南下等の状況下、現在の価値観とは異なる情勢認識であったと思いますが、日本が大陸や南方へ侵攻し周辺諸国を巻き込み多大な苦痛と被害を与えたことは事実であり、反省は当然と思います。                                                          その結果として現憲法があるわけですが、ある見方をすると戦争責任を敗戦国日本のみに課し、性悪説に立った国として憲法で縛り、勝者連合国側を性善説の国とし、日本の平和と独立を守るためではなく周辺国に脅威を与えないための周辺国ための憲法草案を与え日本は自虐的にこれを受け入れたように思えます。                    世界情勢が急速に変化し、我が国が普通の国として防衛力を整備しようとすると周辺国は脅威だとして騒ぎ、我が国の一部の勢力やマスコミは戦争ができる国になると抵抗します。しかし、ロシアのウクライナ侵攻を目の当たりにすると一方的に軍事力で仕掛けられる戦争の前には祈りや誓いは無力であり、また専守防衛による戦いは焦土化し国民や国土に悲惨な被害が発生する厳しい戦いになることを証明しています。                                     現実を直視した憲法と防衛力の整備が必要で、旧統一教会、国葬等の問題があっても、憲法改正や防衛力増強への動きを加速すべきです。


(令和4年8月)

 ここ数年、温暖化が進み自然環境が地球規模で変わり、日本では線状降水帯の長時間の滞留による甚大な水害が頻発しています。これまでの自然環境下、対処療法的に大雨や台風に備え現状の河川・道路・崖等の整備、治水対策をしてきたわけですが、根本的な温暖化対策とともに東北大震災後の高台移転のように、地理的な生活経済活動ゾーンをも見直すようなことも必要かもしれません。                                                      日本の安全保障環境も現憲法制定時と著しく変わり、一方的な力による現状変更を企図する大国が顕在化する厳しい安全保障環境となってきました。過去の制度に頑なに執着し、相手国の理解に過度に期待し自己規制や不戦の誓いを続ける幻想的な安全保障は何ら確証もなく、逆にスキを与えることにもなり国民に対して極めて無責任な態勢です。速やかに憲法改正や防衛力増強への動きを加速すべきでしょう。


(令和4年7月)

 6月25日、国分駐屯地で実施された自衛官候補生課程と一般陸曹候補生の教育終了式に参列しました。約3ヶ月前、4月9日の入隊式の時とは見違えるような制服姿が様になった自衛官へと変貌していました。中には鍛えられた筋肉で制服のシャツがはちきれんばかりの隊員もいて頼もしく感じました。部隊での活躍と発展を祈念するとともに教官・助教等の労苦に感謝したいと思います。                               参議院選挙は自民党の大勝で終わりましたが、残念ながら宇都氏は落選となりました。今後についての情報は持っていませんが、敗因をしっかり分析し再起を期して欲しいと思います。                        ウクライナ情勢は長期化、世界も春先の侵攻直後のショック状態から日常化し、我が国においては改憲勢力が2/3を超えたものの改憲への動きが鈍化しているように思えます。改憲へ向けた動きを応援し注視していきたいと思います。


(令和4年6月)

 5月29日、鹿児島水交会主催の東郷祭(第69回東郷平八郎記念日)に参列しました。入梅直前の雨天をかいくぐり「鹿児島の誇り世界の東郷」元帥の記念日が厳粛な中りっぱに開催されました。隊友会も協賛し、鹿児島地区協議会の隊友が多数スタッフとして準備段階から協力支援しました。お疲れさまでした。           さて、話を変えます。恋愛において思いを遂げる確率はどの程度か知りませんが、ほとんどは片思いで終わっていると思います。(自分は違うと言う会員もいます?)平和憲法?を頑なに保持し、周辺国の公正と信義に一方的に期待して自国の平和と安全を期待するとき、果たして我が国の思いを現在の周辺国が受入れ大事にしてくれるしょうか。国防を相手に預けているにも等しい状態です。恋愛に例えるのは不謹慎かもしれませんが敢えて言います。特に片思いで思いが届かず成就せず憤死するのは個人の問題・残念でしたとして片づけられますが、国民の生命財産を守る責務を有する国会の一部の勢力が思いだけで厳しい現実を直視せず、しっかりとした安全保障政策を構築しないで国民を巻き添えにし危険にさらすのは無策無責任でしかありません。周辺諸国に「危機管理能力のない世間知らずのお人好し。このままボーとしていて欲しい。」と付け入るスキを与え、既にスキに誘導しているかもしれません。国政選挙が近くなってきました。周囲にも声をかけ必ず選挙に行き氏名を記入して投票し、志を同じくする仲間を国政の場に送り出しましょう。


(令和4年5月)
 日本の安全保障環境が現憲法制定時と著しく変わり、また、ウクライナ情勢の厳しい現実を目の当たりにして、自衛隊や憲法9条等に関し態度を変える勢力があるのではと期待していました。改憲反対や反自衛隊勢力は論を変える絶好の機会であり今変えることには全く不自然さはないと思っていますが、具体的な手段方法をなんら示さず、ただ平和主義、平和憲法を守れ、外交努力で、基地があると攻撃目標になる、改憲すると周辺国に脅威を与える、戦争ができる国になる等相も変わらず現実を直視せず、現憲法で戦争に巻込まれることはなかったではないかと耳障りのいい空想的平和論が跋扈しています。現状の解釈憲法による安全保障政策は将来的に時の為政者に都合よく解釈されることもあり得ます。また、私権を制限することもあることからしっかり議論し必要な歯止めも含め解釈などする余地のない憲法学者に自衛隊違憲論を言わせない明確な表現にすべきです。情勢の変化に応じ改憲し国民を守るための憲法であるべきであり、改憲は悪であると盲目的教条的にひたすら憲法を守ることが目的となっているのではないでしょうか。